幼い頃から世界一周することに憧れがあり、各地域の文化に強い関心を持っていました。日本に来てからは、伝統工芸の世界に深く魅了されました。伝統工芸品は、その国の文化を体現し、外に向けて伝えていくうえで、最も完成度の高い「器」だと感じています。 一対一で商品を販売する場面では、海外のお客様に日本文化の背景や物語を丁寧にお伝えすることができます。そのプロセス自体が、私にとって大きなやりがいとなっています。 こうした形で日本文化を世界に伝えていきたい——同じ志を持つ仲間と出会いたいと考えていた時にAllenと出会い、共に努力を重ね、最終的にTAIMATSU株式会社の設立へとつながりました。
かつてアラスカで働いていた時、初めて日本人と出会いました。その真剣で誠実な仕事ぶりがとても印象的で、日本という国に強い興味を持つきっかけになりました。大学卒業後、日本文化を実際に体験したいと考え、日本行きを迷わず決断しました。 日本での製造工場でのインターン経験を通じて、日本のものづくりや現場の管理手法に強い関心を持つようになりました。その後の仕事を通じて、私の師匠となる四国の包丁職人と出会いました。師匠は四代目で、幼い頃から手仕事に囲まれて育った方です。その師匠から、包丁研ぎをはじめ、包丁に関するあらゆる知識と考え方を学びました。 師匠と共に長い時間を働き、生活を共にするなかで、日本のものづくりに対して特別な感情が芽生えました。細部まで妥協しない厳しさと、ひとつの技を守り続ける執念のような情熱に、心から敬意を抱いています。
まず、日本の若い職人は決して多くありません。そのなかで、この貴重な技を次世代につないでいくことが、自分の大きな使命だと考えています。そのためにも、どれだけ時代が変わっても「一番大事な伝統技術」は必ず守り、若い世代がきちんと学べる環境を整えていきたいと思っています。 一方で、企業として継続的に成長していくためには、従来の工房の作業環境を大きく改善する必要があります。職人が安全で、清潔かつ快適な環境で働けるように工房を整備し、作業の安全性と生産性を高めるための設備投資も積極的に進めていきます。また、すべての職人に対して定期的な健康診断を行い、身体面からも長く働ける体制をつくります。 私が目指しているのは、若い世代を中心にしながらも、中心には確かな伝統職人と伝統技術があるチームです。伝統を軸にしつつ、健康的で、高い効率性と再現性を持った「現代型の職人集団」をつくっていきたいと考えています。
おっしゃる通り、仕事への向き合い方は人材を選ぶうえで最も重要な基準のひとつです。強い責任感を持ち、常に会社全体の利益やチームとしての名誉を第一に考えられる人は、安心して任せることができます。 会社と同じ方向を見て、同じ目標を共有できることも非常に大切です。そのうえで、お互いにフィードバックをし合いながら、一緒に成長し、能力を高め合っていける。そうした関係を築ける人と共に、これからのTAIMATSUをつくっていきたいと思っています。